前皮神経絞扼症候群(ACNES)

ACNESは腹壁痛を来す疾患で、腹痛があるのに画像検査で原因が指摘できない場合に疑います。
前皮神経は肋間神経から分岐し腹直筋を貫くように走行します(体の後ろから前の方)が、この神経の周囲にある脂肪が何らかの原因で圧迫されると疼痛が生じます。疼痛部位に触覚や温痛覚の低下を認め、皮膚をつまみ上げると疼痛が増強します。疼痛が比較的限局しており、カーネット徴候が陽性であれば疑います。リドカインの局所注射で改善するならより可能性が高いです。
カーネット徴候の手順は、
①仰臥位で膝を曲げてもらう。
②腕を胸部の前で組んでもらう。
③医師が疼痛部位を圧迫しておき、患者に腹筋に力を入れて頭部を挙上してもらう。
⇒疼痛が増強あるいは変わらない場合はカーネット徴候陽性
といった流れです、体力測定の時にやった腹筋のイメージです。
ACNESの原因はよくわかっておらず、腹部手術や体重変化、運動などがあります。

肋間神経から分岐する外側皮枝が障害される場合は側皮神経絞扼症候群(LACNES)、後枝が障害される場合は後皮神経絞扼症候群(POCNES)と呼ばれます。

参考文献
大塚勇輝,他.医学のあゆみ Vol.285 N0 12 2023;1084-1089.

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