骨形成促進薬

①副甲状腺ホルモン製剤
テリパラチド(フォルテオ®、テリボン®)
:週1回 56.5μg 皮下注
または;1日1回 20μg 皮下注
テリパラチドの投与期間は24カ月

②副甲状腺ホルモン関連蛋白製剤
アバロパラチド(オスタバロ®);1日1回 80μg 皮下注
アバロパラチドの投与期間は18カ月

③ロモソズマブ(イベニティ®)
月1回 210mg 皮下注
ロモソズマブの投与期間は12か月

使用には最新の添付文書の確認が必要です。

骨吸収抑制薬

①SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)
ラロキシフェン(エビスタ®);1日1回 60mg1T分1 経口投与
バゼドキシフェン(ビビアント®);1日1回 20mg1T分1 経口投与 胆汁排泄のため腎障害でも使用可能

SERMは深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症の既往がある場合禁忌。
DVTリスクのため長期不動状態でも禁忌。

②ビスホスホネート製剤
アレンドロン酸(ボナロン®、フォサマック®)
;1日1回 5mg 1T分1 経口投与
または;週1回 35mg 1T分1(ゼリー製剤あり)
または;点滴静注 4週毎 1回 900mg

リセドロン酸(ベネット®、アクトネル®)
;1日1回 2.5mg 1T分1 経口投与
または;週1回 17.5mg 1T分1 経口投与
または;月1回 75mg 1T分1 経口投与

ミノドロン酸(リカルボン®、ボノテオ®)
;1日1回 1mg 1T分1 経口投与
または;4週毎 50mg 1T分1 経口投与

イバンドロン酸(ボンビバ®)
;月1回 100mg 1T分1 経口投与
または;点滴静注 月1回  1mg

ゾレドロン酸(リクラスト®);点滴静注 年1回 5mg

エチドロン酸(ダイドロネル®);1日1回 200mgを2週間経口投与しその後10-12週の休薬を行う。

ビスホスホネート製剤投与後はインフルエンザ様の症状がでる急性期反応を来すことがあるが対症療法で良く再発は少ない。
内服薬は起床時(空腹時)水約180mLとともに内服。内服後は30分は横にならず水以外の飲食や内服は避ける(イバンドロン酸は60分)。
薬剤関連顎骨壊死、非定型大腿骨骨折が副作用として重要。

③抗RANKL抗体
デノスマブ(プラリア®);皮下注射 6カ月毎60mg
低Ca血症に注意が必要で投与1週間後とそれ以降は数か月に1度は血液検査を確認する。
薬剤関連顎骨壊死、非定型大腿骨骨折が副作用として重要。

必ず最新の添付文書を確認して使用が必要です。

続発性骨粗鬆症の原因疾患

①内分泌性

・副甲状腺機能亢進症
・クッシング症候群
・甲状腺機能亢進症
・性腺機能不全
・原発性アルドステロン症
・低Na血症

②栄養性
・胃切除後
・神経性やせ症
・吸収不良症候群
・ビタミンC欠乏症
・ビタミンA過剰症
・ビタミンD過剰症

③薬剤性
・グルココルチコイド
・抗痙攣薬
・ワルファリン
・性ホルモン低下療法
・SSRI
・メトトレキサート
・チアゾリジン系
・ヘパリン

④不動性
・全身性(安静、宇宙旅行、廃用症候群)
・局所性(骨折後)

⑤先天性
・骨形成不全症
・マルファン症候群
・エーラスダンロス症候群
・ロイス・ディーツ症候群

⑥その他
・関節リウマチ
・アルコール依存症
・慢性腎臓病
・COPD
・肝疾患
・・糖尿病(1型、2型)

参考文献

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版.骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編.
Medical Practice vol41 no7 2024:1017-1022.

Addison病

副腎皮質機能低下症とは、副腎皮質ホルモンが低下した病態のことです。原発性、続発性、医原性に分類されます。原発性は副腎そのものに病変がある場合で、視床下部や下垂体に病変がある場合は続発性です。原発性には先天性である先天性副腎皮質過形成やACTH不応症があり、後天性には自己免疫性や結核、AIDSなどの感染性のものなどがあります。この原発性で後天性のものを発見者の名にちなんでAddison病と言います。ここら辺の概念は国家試験で勉強して以来であり、学生時代はあまり成績も良くなかったので改めて勉強してみるとスッキリ理解できました。学生時代は希少疾患は苦手で、勉強意欲もあまりなかったですが、実際の臨床では希少疾患もよく目すると実感します。

Addison病はコルチゾール、アルドステロン、アンドロゲンの欠乏をきたします。自己免疫性はMEN1型やMEN2型で発症しますが、孤発性も認めます。ACTH増加のため色素沈着を認めることがあります。色素沈着はひたすら画像を見て覚えるしかなさそうです。

診断は早朝ACTHとコルチゾールを測定します。

コルチゾールのカットオフ値は、

  • 4μg/dL未満で副腎不全の可能性が高い
  • 4-18μg/dLで副腎不全を否定できない
  • 18μg/dL以上で副腎不全を否定できる

とされています。迅速ACTH負荷試験を行いそれで18μg未満ならCRH負荷試験をさらに行い、診断を勧めていきます、負荷試験は以前私が勤務していた病院では医師が採血するという決まりがありました。大きな病院での謎ルールは医療の妨げになっているとつくづく思いましたが、医師が余っている病院ならではでしょうか。別の医師不足の地域で勤務した際は他職種の協力が得られやすく、自分にはそっちの方があっていたなと今では思います。

ACTHは高値ならAddison病をより疑い、低値なら続発性を疑います。

治療はヒドロコルチゾンを用います。これはヒドロコルチゾンが生理的なものに近いためです。Addison病では生涯内服を継続する必要があり、中断しないことが重要です。診断された患者さんを引き継いでみるときは、薬を中断しないこととシックデイの時に通常量の2-3倍の内服が必要ということを忘れないように注意が必要そうです。

参考文献)

日本内分泌学会;内分泌代謝科専門医研修ガイドブック.

成人GH分泌不全症

成人GH分泌不全症はGH分泌低下により肥満や脂質異常症、情緒不安やスタミナ低下などの症状をきたすとされています。小児期発症し持続している場合と成人発症の場合があります。GH分泌不全症は小児の疾患のイメージがありましたが、成人もあるんですね。

原因疾患では下垂体腺腫が最多で、特発性や下垂体炎、Sheehan症候群などがあります。年間1200人程度の発症があるとされています。相当少ないですね。

検査所見では脂質異常症や耐糖能異常、非アルコール性脂肪性肝疾患などが指摘されます。脂肪性肝疾患は肥満が多いですが、肥満でなくても認めることがあります。薬剤や低栄養という訳ではなく、原因なんだろうなと思いながら外来でフォローしている患者さんは時折おりますが、そういう場合はGHを一度調べてみても良いと思いました。

GHは脈動的分泌されるホルモンであるため、基礎値のみでの判断ができずGH分泌刺激試験が必要となります。GH分泌刺激試験にはいくつか種類があります。

  • インスリン低血糖刺激試験
  • アルギニン負荷試験
  • グルカゴン負荷試験
  • 成長ホルモン放出ペプチド-2試験

IGF-Iは日内変動が少なくGH分泌の指標としてい用いられますが、低下がなくても疾患を否定はできません。

つまり本疾患を診断するには分泌刺激試験を行わなければならず、その前の段階では身体所見や病歴で疑わないといけません。分泌刺激試験を実施できる施設は限られており、病歴のみで疑って紹介は結構ハードル高い気がします。

診断の手引きを見ながら、初診で来院されたらどうやって疑ったらいいか考えてみました。鬱病と言われたけど治らない、疲れやすくなって他院で検査調べたけど何もないと言われた、などの今までいくつか病院を受診した状態なら少しは疑うかもしれません。初診でいきなり来たら、診断は難しい気がします。1発で診断してみたいですね。

参考文献)

1)Abs R,et al.Clinical Endocrinology 1999.

副腎クリーゼ(急性副腎不全)

本日は副腎クリーゼについて勉強します。

副腎クリーゼはグルココルチコイドの急激な欠乏によって生じる病態とされています。

絶対的な欠乏だけでなく、相対的な欠乏でも生じます。

慢性副腎不全の患者さんに感染や手術などのストレスが加わった場合やステロイド長期内服中の患者さんの急なステロイド減量や中止で生じます。心理的ストレスでも生じることがあるみたいです。ストレスは様々な疾患に関係していますが、実際の診察ではストレスだと思っても患者さんに否定されることも多く、難しいですね。

この感染症とは胃腸炎が最も多いとされています。胃腸炎の患者さんは多いですが、その中に副腎不全が紛れていると考えると怖いですね。ただよっぽどなことがない限り胃腸症状で未診断の副腎不全を疑うのは難しい気がします。症状は脱水や低血糖、嘔気・嘔吐、下痢、腹痛、食欲低下、体重減少、低血圧、意識障害などがあります。血液検査では低Na血症、高K血症、高Ca血症、貧血、好酸球増多などを認めることがあります。好酸球増多や低Na血症は有名ですが、貧血も起きるんですね。。。その他発熱、筋肉痛、関節痛も来すことがあるようですが、特異的な症状はほぼなさそうです。普段の外来では低Na血症単独あるいは低K血症単独であることはよく見かけますが、両方そろってることはあまりないなあと記載していて思いました。高齢な患者さんで入院している状況であれば見かける数値かもしれませんが、両方そろったときは副腎不全を忘れないようにしたいですね。

また、ステロイドの減量中に時折嘔気や倦怠感を訴える患者さんはおりますがそういった際もステロイドをもとの量に戻すと改善することは時折経験します。外来だとそういった症状があっても次の予約までまつ患者さんもいますし、それで悪化するということもないのでそういった場合はクリーゼではないと思います。ただそういった状態で胃腸炎などにかかったらまずいかも知れません。

診断はACTHとコルチゾールを検査し、状態が悪い時にコルチゾールが5μg/dL未満であれば強く疑いますが、明確な基準値は設定されておりません。なのでコルチゾールのみで診断するのではなく、その他の症状の合致具合と他疾患否定が重要そうです。

実際の臨床では疑った時点でヒドロコルチゾンを投与する必要があります。

慢性副腎不全がすでに診断されている患者さんはシックデイなどの状況では普段の内服量の1.5-3倍程度を内服する必要があります。

参考文献)

内分泌代謝科専門医研修ガイドブック.日本内分泌学会.

先端巨大症・下垂体性巨人症

先端巨大症・下垂体性巨人症は成長ホルモンの過剰による異常発育及び代謝異常を呈する疾患です。97%が下垂体腺腫が原因で、同時にプロラクチンも分泌されることもあります。発症時期が骨端線の閉鎖前なら下垂体性巨人症、閉鎖後なら先端巨大症となります。男子なら15歳頃、女子は13歳頃が骨端線閉鎖の時期です。骨端線が閉鎖する前であれば身長の成長があるため下垂体性巨人症は身長が高いですが、先端巨大症では身長はそれほど高くはなりません。年間発症率は100万人あたり3-5人程度とされています。

症状は成長ホルモンとIGF-Iによる症状と下垂体腺腫による局所症状を分けて考えます。

ホルモンによって手足の容積の増大や下顎突出などの容姿の変化が生じ、下垂体腺腫によって視交叉が圧迫されると視力や視野に障害が生じることもあります。

成長ホルモンの影響で糖尿病や高血圧、脂質異常症を呈することもあります。閉塞性睡眠時無呼吸症候群も合併しやすいです。心肥大や冠動脈疾患、悪性腫瘍(大腸癌、乳癌、甲状腺がん)が死因として大切です。

顔貌変化と手足の容積増大はほとんどの症例で見られます。女性では月経異常を伴うこともあります。

先端巨大症を早期発見はできるのでしょうか。顔貌変化を本人が気づけば精査するかもしれません。ただ、先端巨大症様顔貌の画像をネットで検索して色々見てみましたが、顔だけだと普通にいるのではと思ってしまうようなものもありました。。発汗過多を70%程度に認めるため、発汗過多の場合は甲状腺のみではなくこの疾患も頭に入れた方が良いかもしれません。

診断はホルモン異常の証明と下垂体腺腫の証明です。

症状で本疾患を疑ったらスクリーニング検査としてホルモンを検査します。

この疾患に関係する主なホルモンは成長ホルモンとIGF-I(インスリン様成長因子I)です。

成長ホルモンは脈動的分泌で変動が大きいですが、IGF-Iは変動が少なく、スクリーニングや疾患活動性に有用です。この2種類をスクリーニング検査で提出します。

画像検査ではCTやMRIで下垂体腺腫の証明が必要です。

診断基準は主徴候と検査所見を両方満たす例です(島津 章,他:先端巨大症及び下垂体性巨人症の診断と治療の手引き.2015.)。

Ⅰ主徴候

  • 手足の容積増大
  • 先端巨大症様顔貌
  • 巨大舌

Ⅱ検査所見

  • 成長ホルモン分泌の過剰(血中成長ホルモン値がブドウ糖75g経口投与で正常域まで制限されない)
  • 血中IGF-I高値
  • MRIかCTで下垂体腺腫を認める

Ⅲ)副徴候及び参考所見

  • 発汗過多
  • 頭痛
  • 視野障害
  • 女性における月経異常
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 耐糖能異常
  • 高血圧
  • 咬合不全
  • 頭蓋骨及び手足の単純X線の異常

診断基準を見ると、血液検査は普段成長ホルモンやIGF-Iをとる機会は無いと思われるます。副徴候もよく見るものが並んでおり、特異的なものは無さそうです。やはり顔貌+手足の状態が大切そうです。

治療は手術が第一選択で適応がなければオクトレオチドの徐放性剤、ブロモクリプチンやカベルゴリン、定位放射線治療などが選択肢となります。疾患頻度も少ないため、ここらへんは一般内科医が介入する機会はないと思います。早期診断と治療でその後の合併症や可逆的な臨床症状を軽減されるために、見逃さないようにしたいですね。

(参考文献)

間脳下垂体機能障害の診断と治療の手引き,日内分泌会誌95.2019.

生理食塩水負荷試験

生理食塩水は原発性アルドステロン症の機能確認検査の1つです。

心機能、腎機能低下例では行えません。

生理食塩水を4時間かけて2L点滴静注し負荷後のPACが60pg/mL以上で陽性とします。

負荷が強いため心不全などのリスクがあるため入院しながら行います。

午前中安静臥位30分で採血→生理食塩水2L/4時間→安静臥位30分で採血→PAC確認といった手順です。

経口食塩負荷試験

経口食塩負荷試験は原発性アルドステロン症の機能確認検査の1つです。

NaCl負荷を3日間行い、その後24時間蓄尿を行い尿中アルドステロンが6μg/日以上で陽性とします。NaCl負荷は食塩10-12g/日を3日間連続で行います。

食塩12g/日を3日間→4日目に24時間蓄尿といった流れです。

上記は入院での流れです。この検査が外来でも行えます。

その際は、食塩負荷は行いません。食事制限などはなく3日間過ごしてもらい、4日目に24時間蓄尿を行い尿中Naが170mEq/日以上でその際の尿中アルドステロンが8μg/日であれば陽性とします。

フロセミド立位負荷試験

フロセミド立位負荷試験は原発性アルドステロン症の機能確認検査の1つです。

フロセミド40mgを静注し2時間立位後のPRAが20ng/mL/時以下で陽性とします。

午前中に30分安静臥位で採血→フロセミド40mg静注→2時間立位(歩行可能)→座位で採血といった流れです。立位が基本ですが、トイレの際の座位は可能です。

2時間立位は結構つらいと思います。