成人GH分泌不全症はGH分泌低下により肥満や脂質異常症、情緒不安やスタミナ低下などの症状をきたすとされています。小児期発症し持続している場合と成人発症の場合があります。GH分泌不全症は小児の疾患のイメージがありましたが、成人もあるんですね。
原因疾患では下垂体腺腫が最多で、特発性や下垂体炎、Sheehan症候群などがあります。年間1200人程度の発症があるとされています。相当少ないですね。
検査所見では脂質異常症や耐糖能異常、非アルコール性脂肪性肝疾患などが指摘されます。脂肪性肝疾患は肥満が多いですが、肥満でなくても認めることがあります。薬剤や低栄養という訳ではなく、原因なんだろうなと思いながら外来でフォローしている患者さんは時折おりますが、そういう場合はGHを一度調べてみても良いと思いました。
GHは脈動的分泌されるホルモンであるため、基礎値のみでの判断ができずGH分泌刺激試験が必要となります。GH分泌刺激試験にはいくつか種類があります。
- インスリン低血糖刺激試験
- アルギニン負荷試験
- グルカゴン負荷試験
- 成長ホルモン放出ペプチド-2試験
IGF-Iは日内変動が少なくGH分泌の指標としてい用いられますが、低下がなくても疾患を否定はできません。
つまり本疾患を診断するには分泌刺激試験を行わなければならず、その前の段階では身体所見や病歴で疑わないといけません。分泌刺激試験を実施できる施設は限られており、病歴のみで疑って紹介は結構ハードル高い気がします。
診断の手引きを見ながら、初診で来院されたらどうやって疑ったらいいか考えてみました。鬱病と言われたけど治らない、疲れやすくなって他院で検査調べたけど何もないと言われた、などの今までいくつか病院を受診した状態なら少しは疑うかもしれません。初診でいきなり来たら、診断は難しい気がします。1発で診断してみたいですね。
参考文献)
1)Abs R,et al.Clinical Endocrinology 1999.
