副腎クリーゼ(急性副腎不全)

本日は副腎クリーゼについて勉強します。

副腎クリーゼはグルココルチコイドの急激な欠乏によって生じる病態とされています。

絶対的な欠乏だけでなく、相対的な欠乏でも生じます。

慢性副腎不全の患者さんに感染や手術などのストレスが加わった場合やステロイド長期内服中の患者さんの急なステロイド減量や中止で生じます。心理的ストレスでも生じることがあるみたいです。ストレスは様々な疾患に関係していますが、実際の診察ではストレスだと思っても患者さんに否定されることも多く、難しいですね。

この感染症とは胃腸炎が最も多いとされています。胃腸炎の患者さんは多いですが、その中に副腎不全が紛れていると考えると怖いですね。ただよっぽどなことがない限り胃腸症状で未診断の副腎不全を疑うのは難しい気がします。症状は脱水や低血糖、嘔気・嘔吐、下痢、腹痛、食欲低下、体重減少、低血圧、意識障害などがあります。血液検査では低Na血症、高K血症、高Ca血症、貧血、好酸球増多などを認めることがあります。好酸球増多や低Na血症は有名ですが、貧血も起きるんですね。。。その他発熱、筋肉痛、関節痛も来すことがあるようですが、特異的な症状はほぼなさそうです。普段の外来では低Na血症単独あるいは低K血症単独であることはよく見かけますが、両方そろってることはあまりないなあと記載していて思いました。高齢な患者さんで入院している状況であれば見かける数値かもしれませんが、両方そろったときは副腎不全を忘れないようにしたいですね。

また、ステロイドの減量中に時折嘔気や倦怠感を訴える患者さんはおりますがそういった際もステロイドをもとの量に戻すと改善することは時折経験します。外来だとそういった症状があっても次の予約までまつ患者さんもいますし、それで悪化するということもないのでそういった場合はクリーゼではないと思います。ただそういった状態で胃腸炎などにかかったらまずいかも知れません。

診断はACTHとコルチゾールを検査し、状態が悪い時にコルチゾールが5μg/dL未満であれば強く疑いますが、明確な基準値は設定されておりません。なのでコルチゾールのみで診断するのではなく、その他の症状の合致具合と他疾患否定が重要そうです。

実際の臨床では疑った時点でヒドロコルチゾンを投与する必要があります。

慢性副腎不全がすでに診断されている患者さんはシックデイなどの状況では普段の内服量の1.5-3倍程度を内服する必要があります。

参考文献)

内分泌代謝科専門医研修ガイドブック.日本内分泌学会.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です