先端巨大症・下垂体性巨人症

先端巨大症・下垂体性巨人症は成長ホルモンの過剰による異常発育及び代謝異常を呈する疾患です。97%が下垂体腺腫が原因で、同時にプロラクチンも分泌されることもあります。発症時期が骨端線の閉鎖前なら下垂体性巨人症、閉鎖後なら先端巨大症となります。男子なら15歳頃、女子は13歳頃が骨端線閉鎖の時期です。骨端線が閉鎖する前であれば身長の成長があるため下垂体性巨人症は身長が高いですが、先端巨大症では身長はそれほど高くはなりません。年間発症率は100万人あたり3-5人程度とされています。

症状は成長ホルモンとIGF-Iによる症状と下垂体腺腫による局所症状を分けて考えます。

ホルモンによって手足の容積の増大や下顎突出などの容姿の変化が生じ、下垂体腺腫によって視交叉が圧迫されると視力や視野に障害が生じることもあります。

成長ホルモンの影響で糖尿病や高血圧、脂質異常症を呈することもあります。閉塞性睡眠時無呼吸症候群も合併しやすいです。心肥大や冠動脈疾患、悪性腫瘍(大腸癌、乳癌、甲状腺がん)が死因として大切です。

顔貌変化と手足の容積増大はほとんどの症例で見られます。女性では月経異常を伴うこともあります。

先端巨大症を早期発見はできるのでしょうか。顔貌変化を本人が気づけば精査するかもしれません。ただ、先端巨大症様顔貌の画像をネットで検索して色々見てみましたが、顔だけだと普通にいるのではと思ってしまうようなものもありました。。発汗過多を70%程度に認めるため、発汗過多の場合は甲状腺のみではなくこの疾患も頭に入れた方が良いかもしれません。

診断はホルモン異常の証明と下垂体腺腫の証明です。

症状で本疾患を疑ったらスクリーニング検査としてホルモンを検査します。

この疾患に関係する主なホルモンは成長ホルモンとIGF-I(インスリン様成長因子I)です。

成長ホルモンは脈動的分泌で変動が大きいですが、IGF-Iは変動が少なく、スクリーニングや疾患活動性に有用です。この2種類をスクリーニング検査で提出します。

画像検査ではCTやMRIで下垂体腺腫の証明が必要です。

診断基準は主徴候と検査所見を両方満たす例です(島津 章,他:先端巨大症及び下垂体性巨人症の診断と治療の手引き.2015.)。

Ⅰ主徴候

  • 手足の容積増大
  • 先端巨大症様顔貌
  • 巨大舌

Ⅱ検査所見

  • 成長ホルモン分泌の過剰(血中成長ホルモン値がブドウ糖75g経口投与で正常域まで制限されない)
  • 血中IGF-I高値
  • MRIかCTで下垂体腺腫を認める

Ⅲ)副徴候及び参考所見

  • 発汗過多
  • 頭痛
  • 視野障害
  • 女性における月経異常
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 耐糖能異常
  • 高血圧
  • 咬合不全
  • 頭蓋骨及び手足の単純X線の異常

診断基準を見ると、血液検査は普段成長ホルモンやIGF-Iをとる機会は無いと思われるます。副徴候もよく見るものが並んでおり、特異的なものは無さそうです。やはり顔貌+手足の状態が大切そうです。

治療は手術が第一選択で適応がなければオクトレオチドの徐放性剤、ブロモクリプチンやカベルゴリン、定位放射線治療などが選択肢となります。疾患頻度も少ないため、ここらへんは一般内科医が介入する機会はないと思います。早期診断と治療でその後の合併症や可逆的な臨床症状を軽減されるために、見逃さないようにしたいですね。

(参考文献)

間脳下垂体機能障害の診断と治療の手引き,日内分泌会誌95.2019.

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